新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

それも理由?

The Economist誌10月22日号のAsiaには、日本の産科医療について焦点を当てた記事が載っています。曰く、無痛分娩(穿刺による麻酔薬注入)が増加してきているものの、まだ病院の通常営業時間に限られる場合も多かったり、健康保険でカバーされる出産費用の内…

落ちるところまで

ネットではThe Economist誌の10月15日号が流れています。トップ記事はアメリカ大統領選挙とアメリカ政治そのものに関する憂慮を伝える記事となっていまして、トランプ候補の混乱ぶりもさることながら、それでもなおかつ40%を超す支持を取り付け、選挙後の妥…

CORSIA(国際線のための炭素相殺・削減スキーム)について

The Economist電子版は旅行をテーマにしたGulliverというコラムで、今後長期的な成長が見込まれる航空各社の国際線ビジネスと環境汚染の問題について論じています。 www.economist.com 記事によると現状で国際線のフライトが起因となる温暖化ガスの排出は、…

ストックホルムへの7枚のチケット

よくThe Economistを読んでいて思うのは、科学関係の記事が読みやすくレベルも高い、ということです。むろん日本の新聞も、科学文化部あたりが週末の特集記事として大きなページを使って書く記事は、十分に深いのですが、あるいはニュースの記事があまり深い…

気候変動対策のための、新たなる資金チャネル

The Economist10月8日号のFinance and economicsには、気候変動対策向けの新しい国際資金メカニズムである「緑の気候基金」(Green Climate Fund)についての記事が載っています。 www.economist.com 他の環境対策に比べてあまりに範囲が広く、求められる資金…

大勢は

休日の夜にどうかと思ったのですが、The Economist電子版が取り上げたアメリカ大統領選挙テレビ討論の第二回目について。 既にどちらが勝った、というような議論は論外のようで、それでも結論は辛辣です。 「クリントン夫人への脅しを含め、彼(トランプ氏)…

オバマが遺してゆくもの

The Economist誌の10月8日号は巻頭のBriefingに、バラク・オバマ大統領による長文の寄稿を載せています。曰く、保護主義や反イスラム主義を批判しつつ、疑いようのない資本主義と世界経済の関係性がもたらす価値を踏まえて、経済の分野において4つやり残した…

Priceyの反対語

10月1日号のBusinessには、ついにスマホ向けのゲームビジネスへと踏み出した任天堂の戦略に関する比較的好意的な論評が出ています。 曰く、コンソールビジネス(据え置き型ゲーム機)で一世を風靡した同社も、最近はスマホゲームに押されて売り上げの柱であ…

グローバリゼーション退潮?

10月1日号のThe Economistは特集記事で今日の世界経済に関する多面的な分析と、様々な場面で疑問を呈されるグローバリゼーションについての基本的な支持を旗幟鮮明にする分厚い記事を載せています。 www.economist.com 曰く、自由貿易で奪われる雇用もあり、…

速報 2016アメリカ大統領選 第一回テレビ討論について

The Economist電子版は、第一回テレビ討論の結果について明らかにクリントン候補の一本勝ちであった、という明快な評価を下しています。 序盤戦ではマイペースで良い感じだったというトランプ候補ですが、司会者から振られたオバマ大統領の出生地問題で、明…

シン・ゴジラの成功に関する読み解き

The Economist誌の9月24日号によると、シリーズ中でも特筆すべき大ヒットになっているという「シン・ゴジラ」が示唆するものは、よく言われる地震や津波などの災害に加えて、増大する中国の軍事的脅威、あるいは軍国主義に戻ろうとする安倍政権の強引さでは…

成功した取り決めに戻るということの功罪

The Economist電子版には、かつて国際的な問題となったオゾン層破壊物質を削減した「モントリオール議定書」を見直そうという記事が出ています。この国際取り決めの名前を知らなくても、以前はときどきマスコミに取り上げられていた「オゾンホール」という現…

テレビ討論会の行方について

The Economist電子版は、9月26日に第一回が予定されているアメリカ大統領選のテレビ討論について、過去の事例をなぞりつつ、今回の選挙結果にも大きな影響をもたらすであろうとの見通しを伝えています。 www.economist.com 1980年の大統領選挙で民主党・カー…

ドゥテルテのフィリピンが考えていること

9月17日号のAsiaには、先ごろG20首脳会議でアメリカのオバマ大統領に対して悪態をつき、首脳会談を棒に振ったことが記憶に新しいフィリピンのドゥテルテ大統領と、対中関係を巡るフィリピンの動きについての興味深い記事が載っています。 www.economist.com …

基本通りに

9月17日号のUnited Statesには、アメリカ大統領選挙でクリントン陣営が犯しそうになっている微妙な失策についての鋭い論評が出ています。 曰く、「人種差別主義者で女性差別主義者で、反同性愛、反外国人、反イスラム主義」だというトランプ候補に対する攻撃…

不満の終着駅(とりあえずの)

ネットでは9月17日号が流れています。 その中の、United Statesの記事で最もコメントが多いのがドナルド・トランプ氏とアメリカのネトウヨともいわれるオルト・ライトの関係について書かれた記事でした。 ネットで調べてみると、オルト・ライトとは共和党支…

Valuationの難しさ

9月3日号のBusinessには、つい最近までその急成長ぶりが注目されていた中国のスマートフォンメーカーであるシャオミ(小米)の停滞についての記事があります。これを読むと、企業価値評価(ValuationあるいはPricingなどと言います)がいかに難しいものか、…

香港に見る変化

The Economist電子版には、9月4日に行われた香港立法会の議員選挙結果についての記事が載っています。俗に「本土派」と呼ばれる、いわゆる民主派でも北京政府の政治的支配から脱却したいとの考えを持つ人たちの支持が伸びたこと、これらの人たちが定員70名の…

ケッコンしない日本人

9月3日号のAsiaには、50歳を過ぎて結婚しない日本人の比率が女性で10%、男性では20%に達しようとしている現象についての読み解きが載っていまして、国内のメディアもよく取り上げる話題ではありますが、若干の視点の違いがあるように思われたので、それに…

Uberが変えるクルマ社会のあり方

ネットでは9月3日号が流れています。 Leadersのトップには、ライドシェアビジネスで注目される、というか米欧ではトップを走る2009年創業のウーバー社、そして個人向けの輸送サービスビジネスの今後に関する大変興味深い記事が出ています。 www.economist.com…

宇宙開発のフロンティア

8月27日号のTehcnology quarterlyは、宇宙に絡む記事で始まっています。その最初はアメリカのスペースX社が開発し、実用化された「再利用できるロケットの一段目」についてのお話です。同社以外にも、アマゾンのベゾスが始めたブルーオリジン社など、宇宙開…

気候変動とセメント

8月27日号のBusinessには、地球温暖化対策とセメント産業の関係が簡潔に報告されています。減量となる石灰岩の破砕および製造工程で使われる大量の化石燃料によって大量の二酸化炭素(CO2)を大気中に排出するセメント産業は、以前から関係者の間では気候変動…

フランスの動揺

出張で少し間が開いてしまいました。さて今日は、The Economist電子版から、イスラム教の女性が身につける水着、ブルキニ(ブルカとビキニを合わせた造語だそうです)の禁止が話題となっているフランスについての記事を取り上げます。 www.economist.com 何…

テロリズムへの対応、が物語るもの

今日はThe Economist電子版から。おそらく明日発売の8月20日号の記事になるのではないかと思うのですが、イギリス政府が始めたテロ対策についての記事です。 一言で言うと、徹底的に個人情報を洗い、疑わしい人をマークする、と言うやり方なのですが、逆に言…

ハイブリッドカーを巡る未来予想図の?

少し長めの夏休みを頂いておりました。本日から本格復帰です。 The Economistは8月13日号です。米大統領選やフィリピン新政権に関する報告が目を引くところですが、後半のScience and technologyで読んでいてちょっと違和感を感じるものがあったので。 At la…

中国経済がアメリカを抜いたかもしれない計算

7月23日号のThe EconomistはFinance and economicsのページで毎年おなじみ、Big mac indexを載せています。例によってアジア諸国の通貨が実際より安くなっている、という分析結果のグラフが出ているのですが、仮にGDPと同じ金額だけビッグマックを買ったとし…

不都合な?話かもしれない

7月23日号がネットで流れているThe Economistですが、Leadersの4番目に天然ガスがもたらす地球温暖化の脅威についての記事があります。 ふつう天然ガスと言うと、石炭や石油に比べて環境にやさしいエネルギーという印象が強いのではないかと思います。確かに…

テレビの将来

7月16日号のBusinessには、長らくケーブルテレビが主流だったアメリカのテレビ放送について、根源的な変化が訪れようとしていることが報じられています。 www.economist.com 端的に言えば、インターネットテレビへの移行が加速され、これまでのケーブルテレ…

もしも、という話の中に

7月16日号のThe Economistは、世界中の「もしも」という仮説を特集したページがあるのですが、その中で面白かったのはトランプ氏が大統領になったらと言う記事の同じページに小さく示されていた「もしもアメリカにイギリス風の議会があったなら」という推計…

ISの東方拡大戦略とフィリピン新大統領への期待

7月9日号がネットで流れているThe EconomistがAsiaで伝えるところによると、過激派組織であるISは最近ウェブサイトを通じて、フィリピン・マレーシア・インドネシアなど東南アジア諸国をターゲットとした宣伝活動に注力しているとのことです。具体的には英語…

7月12日を注目する意味

出張があって、少しご無沙汰してしまいました。 そろそろ日本のメディアでも注意を払う向きが出てきているようですが、来週7月12日にはフィリピンによる提訴を受け、常設仲裁裁判所が結論を出す予定となっています。 The Economist7月2日号でも、アジアに関…

本当になってしまったそのあとは

The Economist電子版のブログ、Bagehot's notebookには、英国のEU離脱が決まった後の政局が混乱の中で迎えた最初の週末について、生々しい状況を伝えてくれています。 www.economist.com 嵐の中に突入する英国、操舵輪には誰もいない、というタイトルがあら…

認識は事実を凌ぐ、という見方

ネットでは6月25日号が流れています。 ざっと目を通して気が付いたのは、沖縄の米軍基地を巡る日米関係の変化についての記事です。アメリカ軍の軍属によって20歳の女性が殺され、この事件をきっかけとして米軍基地への反感が高まっていることは日本国内のメ…

背に腹は代えられぬ、と言う場合には

6月18日号のBusinessには、さきごろ原子力発電所の更新を認める決断をしたスウェーデンの事情について伝える記事が出ています。それによると、電力確保のため他に手立てがないということから、それまで課されていた懲罰的ともいえる原発への課税を取りやめ、…

デーつの種油にダイオキシンを吸着させる、という解決方法

6月18日号のSciende and technologyには、内戦で大変なシリアの科学者が開発したという、デーツの種油を使って水溶液中のダイオキシンを吸着するという新たな技術についての紹介記事が出ています。 www.economist.com デーツは、食べ物としては大好きです。…

嫌なものはイヤ

ネットでは、6月18日号が流れているThe Economistですが、表紙とLeadersのトップ記事、それにBriefingの記事4本を使って、イギリスのEU離脱問題について報じています。 www.economist.com さすがはイギリスのメディアなので、深刻さが違いますね。ちなみに演…

決める、ということ

The Economist電子版は、おそらく来週号の記事になると思うのですが、フロリダ・オーランドで発生した乱射事件を巡る大統領候補の発言を捉え、それによって自らの立ち位置を鮮明にする論評を載せています。 このうち民主党のクリントン女史については、ある…

ロボットにとって代わられることへの恐怖とは

The Economist電子版のトップページ、下の方を見るとI'm afraid I can't do thatというタイトルで、民生用ロボットの実用化に関する記事がでています。レストランや銀行での接客ロボット、あるいはクルマの自動運転などで仕事がなくなるかもしれない、と言っ…

教育こそ

The Economist誌6月11日号のLeadersトップ記事は、教育について、なかんずく教師の質をどうやって上げるかという、世界共通のお悩みについてのものでした。曰く、教師の質はスポーツのコーチが選手の技量を伸ばすように適切な教育訓練を施すことで向上させる…

悩み深い話

The Economist電子版のトップには、先ごろ発表された日本の消費税引き上げ延期を巡る論評記事が出ています。読者コメントは、おそらく経済学に詳しい方々のものばかりで、さすがに中国共産党の反日オルグみたいなトンデモコメントは出る幕がないようです。 …

大統領予備選大詰め

The Economist誌6月4日号のUntied Statesは、いよいよ今週大詰めを迎える民主党予備選の見通しと、最後まであきらめないとするバーニー・サンダース氏の戦いぶりが不合理なものであるとの見解を伝えています。 日本のメディアでも、米領バージン諸島でヒラリ…

クルマ屋の将来

The Econnomist誌5月28日号のBusinessには、大手自動車メーカーが競うように投資するアプリ事業の話を絡め、移動性すなわち「モビリティ」を提供するビジネスの将来についての論評が出ています。 有名なUber~白タク(?)手配サービスアプリの運営会社(こ…

残す心

5月28日号のThe Economistは、先ごろヒロシマを訪問したオバマ大統領の当日の動きについて型どおりの報道をしています。記事に対して140本を超える読者コメントが寄せられていて、真摯で正鵠を得たものからデマゴーギーのつぶやきまで全く玉石混交状態なので…

ためにする騒ぎ

5月28日号のUnited Statesは、ヒラリー・クリントン女史が国務長官時代に公用メールを個人アカウントでやりとりしていた問題を巡る新しい動きについて伝えています。 それによると国務省の内部調査機関による報告書が、違法性については指摘しなかったものの…

心は動かない

5月28日号のBanyanには、中国との関係が微妙に変化しだしている台湾そして香港についての論評が出ています。 台湾では民主的な選挙により、親中派の国民党政権にかわって独立志向の強い民進党政権が誕生したわけですが、これを巡る中国の反応は露骨な外交的…

保全され続ける核の脅威

ネットでは5月28日号が流れています。 Leadersのトップは北朝鮮の核問題についての分析記事です。アメリカが北朝鮮よりイランを先に取り上げたのは、石油・天然ガスという交渉の糸口があったからで、それを持たない北朝鮮はより扱いにくい相手であるというの…

経済政策と景気の寿命

景気には寿命があるか?という、日本の経済メディアではあまり聞いたことがない話題に注目したのがThe Economist5月21日号のFree exchangeです。 まあ確かに、神武景気だとか岩戸景気だとか、継続する景気拡大はある程度長期間に渡って継続したので、一定期…

気候変動をめぐる株主の動き

The Economist 5月21日号のBusinessは、そのトップ記事で石油・天然ガス資源の開発会社(いわゆるオイルメジャーなどです)に対する株主の動きの中で、地球温暖化対策など環境に関わる要求が高まっていることについての記事が出ています。 機関投資家の中に…

情勢は変わりつつ?

5月21日号のThe Economist誌、および同誌のウェブサイトでアメリカ大統領選挙に関わる最新の情報をチェックしてみると、非常に興味深い話が浮かび上がります。 民主党の大統領候補選びにおいて絶対的な優位を言われるヒラリー・クリントン女史について、数字…

日本に来る前に

5月21日号のAsiaでは、G7サミットに始まる訪日を前に、今日からベトナムを訪問するアメリカ・オバマ大統領と、大統領の訪問がベトナムにもたらす変化への期待が報じられています。 曰く、ベトナムは貿易面でTPPにより最も恩恵を受ける国であろうこと、ただし…