新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アフリカと中国

10月28日号では、イギリスのお隣・フランスの特集記事があって、かなり詳細にフランスの抱える失業問題・教育問題・移民問題その他を分析しています。フランスに知見のある人や、ヨーロッパ人同士のものの見方の違いを分析することに興味のある人には面白い記事でしょう。
個人的にはODAに関係した仕事をしていることもあり、記事の長さはそれほどでもありませんが、アフリカに対する中国の進出について書かれた記事(China in Africa, never too late to scramble)につい目が行きます。
中国がアフリカに対するコミットメントを高めていること、それが「エネルギー狙い」に帰着すること、また単にODAに止まらず、民間投資も順調に伸びていることなどは日本のメディアも着目している要素だと思います。加えて、中国側が「一つの中国政策」の承認を踏み絵として課していること、中国の投資は資源開発に偏り、人権問題は二の次(Optional)であること、また投資に付随して中国製の安い商品が大量流入していること、中国は分野によっては技術供与にも積極的に応じていることなどが記されています。
ただ、注目されるのは結論のところで「それがフェアな取引である限り、中国・アフリカの両者が裨益するであろう。」と括られており、大筋ではアフリカと中国の関係を肯定的に語る内容となっています。
ではいったい、何がどこまで肯定的で、何がそうでないのか。このあたりは時代時代で変わってくる要素ということなのでしょう。

確かに東京にいると、「それがフェアかどうか」をいちいちチェックすることはしなくても時は流れてゆきます。このあたりが現象として目に付きやすい「違い」ではないかと思います。