新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

メルケル政権のドイツ

11月18日号のSpecial Reportが取り上げているのは、大方の予想を裏切って好調な政権運営を続けているAngela Merkelとドイツの現状についての分析です。比較対照とされているのは先代首相のシュローダーです。

曰く、内政重視でスタートするだろうと思いきや、冷戦後の混乱には「ドイツが対応する責任がある」との立場を明確にしました。PKOへの積極的な派兵を含む国際問題への対応により、ミドルパワーとしての発言力を確保した政権運営を高く評価しています。確かにイランの核問題に国際社会を代表して交渉に当たったのは、それがアジアの問題であるにも関わらず常任理事国五カ国プラスドイツでした。

彼女には運も味方をしたのは、就任時点で他の主要国の指導者が皆退任間近であったため、影響力が弱体化していたこと、来年はG8とEUの両方で議長国を務めることなど、外交に取り組みやすい環境であったことなどが挙げられています。

EU議長としてはEU憲法の再審議について法案の現実的修正が望まれるだろうということ、また内政においては国民の政治離れをどのように克服するか、などの課題も挙げられていますが総じて評価は高いものがあります。似たような評価は安部首相にも当てはまるのではないかと思われます。強いて違いを挙げれば、国際社会における主導的活躍が今ひとつ、という点はありますが。。数週間前にそんな記事もあったように思い出しました、そう言えば。