新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

読者の声

12月2日号のLeadersは、ドルの下落懸念、キリスト教対イスラム教、ロシアのソ連化に関する懸念、携帯電話が持つ文化的特徴の分析、それにインドとアメリカの核を巡る関係について書かれています。

面白いのは携帯電話がクルマに似ているという記事で、どちらもファッションであり、若者の自我を象徴するアイテムであることや、まだ使えるうちに新しいのと取り替えること、社会生活を規定する技術であることなどの共通性に関する分析は、こじつけ半分かもしれませんが他ではなかなか読めない表現です。

何よりもThe Economistを差別化している要素のひとつに読者の声(Letters)があると思います。一寸前の記事に対する反論や擁護論などの意見が、それこそ世界中から寄せられます。記事の間違いの指摘がその筋の権威から寄せられるなどというケースはしょっちゅうで、たしか先週もバングラデシュのストライキを違憲行為と書いた記事に対して、大使だったか政府高官だったかが、ストライキには法的裏づけがあり、決して違憲行為ではない、という意見を寄せた投稿が載っていました。今週も、なかなか普及しない臓器移植について「(自分に何かあったとき)再移植に同意する患者にのみ移植する」という方策はどうか、そうすれば連鎖的にドナーの確保が進むのでは、と言う提案がコロンビア大学医学部の教授から寄せられています。批判も、建設的意見も、世界中の権威からの意見が届き、またそれらを臆することなく載せる。他のメディアではなかなかお目にかかれないところです。実は私も何度か投稿したことはあるのですが、全部ボツになっています、今のところ。

今週は、私の好きなTechnology Quarterlyが載っています。The Economistの注目する最新技術に関する平易なレポートです。でもその前に携帯についての記事も面白そう。