新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

反米左翼政権、の実態

12月9日号はThe AmericasのページでラティノバロミトロというNGOによる、中南米諸国における政治に関するアンケート結果を載せています。それによると、民主制が独裁制より望ましいと答える人の比率がどの国でも高く(但し低い中ではペルーが民主制に疑問符をつける比率が高いのが面白い)、民主主義は機能しているか?とか左翼的か、右翼的か?といったような質問はどれも中庸な結果を示しています。また、信頼できる人(機関)は?という問いには教会・テレビ・辺りの比率が高く、議会や政党の比率が低くなっています。

国別の数字はめんどくさいので書きませんが、これらを見ると、「反米左翼」と位置づけられる国々(たとえばベネズエラ、ボリビアなど)でもその意識は突出して高いわけではなく、とくにベネズエラはここ10年で中道化する傾向すら見せています。冷静になって考えればどこでもそうなのでしょうが、各国メディアが国際情勢の美名で左翼のレッテルを貼ったところで、その国の人々は、その暮らしの中で事故観察の定点を持っている、ということだと思います。何も日常生活においてまで、「俺は反米左翼だ!」と意識して生活している人々が多数というわけではない、という。

欧州について観察するCharlemagneのページで「欧州の欧州的価値」について面白い記述があったので、今度はそれについて書いてみたいと思います。