新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ペンテコスタル派って?

世界のキリスト教では、カトリック系で霊的体験などを肯定する「ペンテコスタル」派がその勢いを増している、というのがその記事の趣旨です。もしやと思ってサーチエンジンを使って調べてみると、確かに大変な数のサイトがヒットします。日本語のサイトも少なからず存在し、それらによるとカトリックに止まらず同様の宗旨を唱えるキリスト教会が増えているとのことですが、The Economistの記事も同様の捉え方をしており、キリスト教そのものが変質するほどの勢いであると報告されています。

私は全くの門外漢で、キリスト教と言えばカトリックとプロテスタントくらいしか知らないのですが、確かにその内訳はだいぶ細かく分かれるようです。その中で、「霊的体験を通じたエクスタシー」という、既存の宗派が対応できない要素を全面に押し出す同派が勢力を拡大している、ということは何を意味するのでしょうか。

19世紀におけるキリスト教社会の成功は、イスラム教に先んじて政教分離による社会開発モデルを確立したことによる、というのは高校の世界史レベルの認識かもしれませんが、最低限現代の国際社会において仕事を宗教に優先させることは暗黙の共通ルールになっていたと思います。逆に、イスラム社会とキリスト教社会の対立には何か常に宗教の優先度を巡る考え方のズレが絡みついているようなところがあるのではないかと、個人的には思っています。

そこへ持ってきて、「キリスト教よ、お前もか」ではありませんが、クールな政教分離型の現代的信仰では救われない何かが、キリスト教社会にも広く、深く存在しているということなのでしょうね。その意味ではむしろいくつかの例外を除いて、拙速な政教分離に走らなかった分、イスラム教社会のほうが正直であるとすら言えるのかも知れません。

正月ボケから今ひとつ立ち直れてませんが、新年第一週は、こんなところでご勘弁ください。