新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

IBMの本質的変質

4月7日号はFace Valueのページでジョン・ディアトラクターを作っているディア社のトップ、ボブ・レーン氏を紹介しています。銀行家から経営者に転じ、コストダウンを中心とした体質強化策により同社の収益体質を改善した、という正攻法の成功譚です。こういう地道で目だたない努力こそ、本来的にはたたえられてしかるべきではないかと思います。

BriefingではIBMの世界戦略とインドの地位について詳報されています。同社の歴史始まって以来、ニューヨークで行われてきた投資家会議(株主総会のこと?一度例外的にボストンで開催された)を、インド・バンガロールで開催した、という出来事に始まり、どれだけ同社がパルミザノ社長の下で国際化を進めてきたか、という話です。彼によると「第一段階の国際化は輸出。第二段階は本社のコピーを世界中に作ること、第三段階は多様な各国法人が全地球的に統合されること」だそうですが。PCのハード部門をLenovoに売り払い、ソフトやサービスを中心に、自動化を司るシステムを開発し、既存のコンピュータ企業の中で言えばInfosysなどと近い業態に変化してゆく。アナリストにはまだ不人気な考え方のようですが、「International Business MachinesはもはやMachinesのメーカーではなくなった」、という判断は正しいと思います。そしてインドのIT企業を高く評価するIBMの考え方は、果たして時代の先端を行くものなのか。早すぎた、ということがなければよいのですが。。