新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

…で、核心は何かというと

4月14日号はLexingtonで米大統領選に臨む民主党クリントン・オバマ両候補の現状を伝えています。クリントン候補が先行すると見られていた選挙資金集めで善戦したオバマ候補ですが、ここへ来て支持率でクリントン候補に水を開けられている、とのこと。いったい何があったのでしょうか?

実は政策面での提案力がポイントになっているようです。これまではイラク戦争に終始一貫して反対してきたこと、開戦前に今日の混乱を予測するような発言をしていたこと、演説の上手さや人柄が受けて、オバマ候補は一定以上の支持を得てきました。それが現れたのが選挙資金集めで、薄く広く集めることでクリントン候補に肉薄するまでの実績を残したのですが。

「政策面ではからっぽ」との批判をクリントン候補が展開すると、オバマ候補には厳しい戦いになるかもしれません。イラク戦争や保険行政で失敗はあったものの、クリントン候補の30年にわたる社会改革への取り組みは、彼女の分厚い政策リストとして結実しています。それにくらべてオバマ候補は、今までのところわずか2年上院議員を務めただけ、というものです。もっともイラク戦争に代表されるように、クリントン候補の政策がすべての面で素晴らしい、というわけでもないのですが。

エドワーズ候補とオバマ候補がアンチ・クリントン票を分け合う形になっているのもクリントン候補にとっては有利な条件でしょう。

仮にオバマ候補が民主党の伝統とするところの「新しい政策」を打ち出せるとして、ユージン・マッカーシーやゲリー・ハートのように敢え無く予備選で敗退するか、またはビル・クリントンのように勝利するかはThe Economistが暗示しているように、まだ未知数、ということかと思います。