新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

カストロ将軍80歳

4月28日号はAmericasのページで二つのコラムを割いてキューバの、というよりカストロ政権の近況について伝えています。メーデーが近かったので、ある意味の占い記事になった部分もあると思いますが、日本の報道によると、結果的にカストロ将軍はメーデーの催しには現れなかったようですね。

最近キューバに関する記事が載る場合の関心は主に二つ。一つは「カストロは死ぬのか」で、二つ目は「結果アメリカとキューバはどうなるか」ということに尽きるようです。一つ目は長い目で見れば完全にイエスです。問題は、それは何時なのか、でしょうけれど今週号のThe Economistを見る限り、まだしばらくは大丈夫なのかな、と思わせます(中国の代表団が見舞いをしたときの写真が載っていますが、仮に最近のものだとするなら明らかに一時期より血色もよく、太っています。無論、合成写真でない証拠はないのですが)。ベネズエラチャベス大統領およびその周辺は「病状は改善しつつある」とのコメントだそうですし。

二つ目は、集団指導体制下での変化があるとすると、下克上的にのし上がる新興勢力(そんなものが居るのか、が先ず問題ですが)が最も有利な位置にいるような気がします。その彼らが関係を見直さない限り、現執行部による集団指導体制下では大きな変化は難しいでしょう。

共産圏崩壊を都市農業振興で乗り切った国、教育水準と医療水準が高い国、VIPが自転車やバスで仕事に行く国、大臣たちが深夜まで残業する国、等々のイメージが先行する要素も少なくありませんが、基本的にキューバは独自の魅力に溢れた国だと思います。その国が、指導者の退場にどう反応するのか、またさまざまな意味で足もとの怪しくなってきた唯一の超大国との関係をどうするのか、とても見ごたえのあるショーだと思います。

実は今週末からキューバに出張することになってしまいました。そのため普通よりも更に目を引かれた記事でしたが、行く前にメーデー後の集団指導体制に対する論評を是非読んでから行きたいものだと思っています。