新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

つながる社会

4月28日号の特集記事はA world of connectionsという題で、14ページに渡って進化するネットワーク社会について報告しています。

無線通信を発明したマルコーニが参照されているあたりからも判るのですが、ここでいうネットワーク社会の欠かせないインフラとしていまや当たり前になっているのが無線による接続です。インターネットの無線LAN、携帯電話の定額パケットサービス、RFIDその他。

最近、Technology quarterlyなどでも同じようなことを感じるのですが、特にIT分野ではあまりに技術の進歩が速過ぎて、さしものThe Economistも未来を語れない。今回の記事も最後の最後で複合化するネットワーク社会がもたらすさまざまな危険についての警告がなされていますが、無線接続にしても、ネットワーク社会のリスクにしても、ある意味ではもう何年も前から言われてきたことだと思います。例えば卑近な例ですが、批判は多い個人情報保護法にしたところで、ネットワーク社会への転換期に対する一つの備え、と言う見方が成り立てば先進的なリスク対策という評価も生まれてくるのかもしれません。

むしろネットワーク社会が次にもたらす「つながっていることが当たり前」という社会における文化的・ソフト的な基盤の変化は何なのか、その鋭い洞察力と豊かな情報力で、そのあたりを突っ込んで欲しかったなあ、というのが第一の感想です。いつもに比べて「なるほど感」のやや物足りない記事でした。これは日本と言うIT先進国に暮らしているから、でしょうかね。