新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

大学間の競争・他

出張先で仕事の合間を縫って相変わらず5月5日号を読んでいます。まとまった時間が取りにくいため、普段よりずいぶんと遅いペースです。ここキューバは英語の雑誌が買えるニューススタンドがないため(カストロ首相の入院以降手に入らなくなった、との話)、次の号が来るまでに終わらなければという切迫感もなく、フランス大統領選挙など多少古い記事でも現実に起こったこととのギャップを味わいながら読んでいます。最後の最後はサルコジ氏優勢が動かない中、ロワイヤル女史への好感度がアップし、支持率も数パーセント差まで詰め寄っている、とかいう話が載っています。結果はご存知の通りだったわけですが。

Europeの最後のページ、Charlemagneでは各大学間の競争が遅々として進まない様子が報告されています。元フィンランド首相で現在はECの改革アドバイザーであるエスコ・アホ氏の報告を受けて、EU域内の大学間では競争による質の向上よりも、その国でトップであることのほうが受けがよいらしく、競争に向けた改革が一向に進んでいない、という報告書の内容に触れています。たとえばイギリスの一年制大学院は時間的制約条件の有利さから優秀な学生を集めるのに成功しているが、他国でこれを取り入れよう、またはよりよい制度を開発しようという動きは極めて少ないとのことです。同書が指摘するのは先ず透明性の確保からはじめて、学生がよりよい大学を自由に選べるようになれば改革は進むのでは、ということなのですが、そうなると優秀な学生の奪い合いが始まり競争の負の面が出てしまう懸念もあるわけです。たとえ負の面でも我知らず競争になっている(ので可とすべき)、というのが意味深な結論ですが。

このあとの特集が「世界の都市化について」という珍しい視点の記事なので、一寸興味を持って読んでみたいと思います。