新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

貯蓄と利率

いささか古くなってしまいましたが、5月5日号はEconomic focusのページで預金残高と利率の関係を通じて日本経済への皮肉とも取れる記事を載せています。曰く、これだけ利率が低いのに消費が振るわないのは低金利による資産ダメージに失望した国民が、余計に財布の紐を締めて溜め込んでいるためである、従って利率を多少上げれば却って消費が刺激されるのではないか、という分析です。まあ、そういう見方もあるかもしれませんし、昨今の低金利が一向に景気を刺激する様子が見えないことはやはりどこか違うところに心理的要因があるのではないか、という観測が出ても致し方ないところかもしれません。ただThe Economistが心配してくれているように、利上げが株式や証券の相場下落につながる惧れも十分に考えられる中、それがきっかけとなり一層の資産ダメージにつながるというシナリオだってあるわけです。キャリートレード(鞘取り)で稼いでいる人を除けば、日本の低金利は円安の主因なのでとにかくこれを何とかしてほしい、ということだと思いますが、なぜか怪しげな説得力を感じているのは私だけでしょうか。

その他、Obituaryは戦後のアメリカ政治史を見つめてきた評論家のデビッド・ハルバースタム氏の逝去を伝えています。

さてキューバにはThe Economistの新刊が売っていないので、ブログは一寸の間お休みです。次は5月26日号が出る頃に帰国しますので、もし買えたら帰国途上のメキシコからでも内容を報告したいと思います。投稿は日本時間で27日か28日になると思います。