新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ワインがんじがらめ

6月16日号を読み進めてゆくと、いくつかの面白い記事に行き当たります。Lexingtonは、アメリカにおける選挙民の投票行動の不合理さを暴いたブライアン・キャプラン教授の論文を紹介していて面白かったです(民主党上院院内総務のハリー・レイドよりアーノルド・シュワルツネッガーを良く知っている、ガソリン価格の上昇は石油会社の責任、海外に仕事を持ってゆく企業は悪といった判断に基づく)。Middle East and Africaで目を引いたのは、日本のメディアでも報じられているようですが、パレスチナ内部対立の報道で、より貧しいガザ地区ハマスが、ヨルダン川西岸をファタハが押さえる形になっているようですが、これとて流動的な話だと思います。Europeは欧州憲法に代わるEU条約を巡る各国の思惑、大統領選挙後勢いを増すフランスのサルコジ新政権、対イランミサイル防衛システムを巡るロシアと西欧の摩擦など。Charlemagneがほとんど規制産業といえるほどのワイン生産をめぐる法律や補助金のがんじがらめを伝えていて面白かったです。不合格となったワインは再蒸留して工業用アルコールにされるのですが、ワイン栽培補助金を求めて、最初から不合格→アルコールとするためのブドウも栽培されているのだとか(所謂規模の経済がそうさせるのではないかと思いますが)。ちなみに「食べる」ためのブドウにはそんな補助金は全くつかないそうですが。