新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

なかなか複雑な友好関係

6月30日号を読み進めると、アメリカの覇権がどれだけ傷つき、どれだけまだ優位性があるかという分析記事(大局的には負け始めた大国、もしくは潮の流れが逆になっている現状、が行間にも見て取れます)に続いて香港と中国との関係および中国と民主主義の関係(特集記事まで読み進むと、それがすなわち台湾問題との裏表であり、更に近い将来経済規模でアメリカを抜く中国への警鐘でもあることが見て取れます)、インド大統領選挙とソニア国民会議派党首、未だ意気軒昂たるタイのタクシン元首相、オーストラリアの原住民保護政策、ラオスのメコン川とダム開発の関係といったところがアジアに関する記事でした。アメリカは、議会で今ひとつ成果の上がらない米民主党、アメリカで最近流行の「元市長」という政治家たち、予備選挙のさきがけながら、人口が少ないことと白人が多いことからあまり注目されないアイオワ州、薄給で責任の重い判事たち、7と言う数字に縁起を担ぐ花嫁たち。Lexingtonではだんだん市民権を得つつある同性愛者および同性愛夫婦の話。いくらなんでも夫婦と認めて子供も持てるように(まさか二人の子というわけではないでしょうが)すると言うのはどうかと思うのですが、マサチューセッツ州ではすでに合法です。

面白かったのは南米の、チリとボリビア、ペルーの関係についての記事で、19世紀に戦争でチリが勝って、ボリビアの海岸線を奪ったためボリビアが地封国家になったこと、ペルーの一部も奪取されたものをペルーは返還を求めてこそいないが、漁業資源を巡って未だ対立があること、にもかかわらず現政権間の関係は良好であることについての記事でした。日本が近隣諸国との関係を考える上で参考になる事例ではないでしょうか。

その他複雑に入り組む中東和平問題など。勇気があるなと思ったのは、首相辞任後すぐに志願して中東和平特使になった英国のブレア前首相です。イギリス出身の特使は現地の反感を買うだけでは、という観測もあるところ、やはり何としても在任期間中の問題は自らの手で何とかしたい、という思いで志願したとのこと。これ以上の立身出世がある人ではないだけに、余計立派に見えます。

特集記事は香港について、の話ですが。。。