新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

とある生物学者の死

6月30日号のObituaryは、火星から飛来した隕石にバクテリアの痕跡を見つけたイムル・フリードマン氏の逝去を伝えています。砂漠で海草の痕跡を見つけた実績を持つ同氏は1984年に南極で発見された隕石が火星起源のものであり、有機反応によってしか形成されない結晶の鎖が見つかったことから「火星には生命が存在したはずだ」との意見を発表された方だそうです。この説は1996年に発表されたのですが、以前NASAがバイキング計画の成果として火星には生物が存在しない、との見解を公式に発表していたため注目される結果となったようです。

ハンガリー生まれのユダヤ人として、困難な青年期を送り、やがて砂漠で海草の痕跡を見つけて以来、生命の起源を探る科学者の一人として注目されるようになったとのことですが、地球の生命があるいは火星起源だと考えると(なぜなら天文学的には地球から火星に行くより火星から地球へ来るほうが簡単だからだ、と書かれていますが)ちょっとワクワクしませんか?

Obituaryはこのように、世界的有名人の死だけではない、さまざまな視点で故人となった方々にスポットライトを当ててくれるので、結構まめに読んでいます。