新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ゲームはホルモンが支配する?

7月7日号のScience and technologyは、いつもにくらべて「へぇ」と思う記事が少ないように思えたのは、私の感性のアンテナが違う方向を向いているからでしょうか。地球温暖化に関係する雲の研究の話、ゲノム解析にイソギンチャクが使われている話(ちょっと「へぇ」でした)、遺伝子が持つ塩基配列情報のモデルに関する研究の話。ちょっと目を引いたのは、二人が対決して片方が分けたお金をもう片方が二人とも取るか二人とも取らないかを決めるゲームで(分配がどんなに不公平でも取ったほうが二人とも収入あり、取らないと収入なしとなる)、テストステロンという男性ホルモンの分泌が多いほうが対決(不公平なら取らない)を選びやすい、という研究についてです。

対決型ゲームが相互の心理状態にどのように影響されるか、は映画「ビューティフルマインド」でも有名なジョン・ナッシュの研究ですが、ホルモンと結びつけて分析するところまでは考えてませんでしたね。もっともこの観察も、回数を繰り返すとゲームの仕組みがわかってきて、不公平でも取る、という選択肢のほうへ流れるようですが。

Books and artsで目を引いたのは、中国の内政研究とレーガン元アメリカ大統領の日記が出版されたこと、くらいでした。Obituaryは、女性デザイナーとしてはじめてFortune500に入る会社を育て上げたリズ・カリボーン女史の逝去を伝えています。