新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

岩にしみ入る蝉の声

7月14日号のLeadersは欧州の復活はどこまで続く?という観測記事を皮切りに、IMFの構造的問題点、パキスタンのモスク突入とその後、エネルギー問題、アメリカの対イラク政策など。

今週も特集記事がなく、割と薄めなのですが、アメリカが戦争でてこずり、ヨーロッパが内政でてこずり、イスラム社会はイデオロギーにてこずっていることの報告だと、精読しても「なんだ、またこの話かよ」と思わずつぶやいてしまいそうな感じですね。自由貿易の保護者たるThe Economistのぶれない意見はといえば、アメリカはしっかりと戦争を終わらせて自由貿易を進めよ、ヨーロッパは先進的改革を続けて自由貿易に貢献せよ、その他の国もイデオロギーや貧困を何とか克服して自由貿易に参加せよ、というものであり、その根幹はたとえ太陽が西から昇ろうとも変わるものではないのですが、それだけに「すでに起こった話」に関する「すでに見当のついた報道」だけだとあたかも「そこには何もなかったかのような」不思議な感覚さえ覚えてしまいます。耳を劈くばかりの蝉の声が聞こえる中で芭蕉が読んだ「静かさ」とは少し違うかも知れませんが、馴れがかもし出す不思議な感覚という意味では近いものがあるのかな、と思いまして。

東京は台風一過、午前中は晴れて暑かったです。今週も薄さにめげず、しっかりと読み込んでみたいと思います。