新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

幸せって何だっけ

7月14日号はCharlemargneでサルコジ仏大統領とEU当局のユーロ金融政策に関する考え方の違い(サルコジ氏は現在のユーロが高すぎる、と批判。これまでさまざまな努力により貨幣価値を支えてきた欧州当局からすれば逆行)について報告していますが、同時にEuropeのページではマルタとキプロスのユーロ加盟が認められたとのニュースなど。トルコや東欧の迷走ぶりと比較すると、「持てるもの」「進むもの」の差が際立って見えます。ちなみにサルコジ氏はシラク元大統領を巡るスキャンダルの火の粉をかぶらないとも限らない状況のようではありますが。Britainでは北海油田の枯渇によりイギリスがこうむる影響について。それによるとこのままの勢いで生産が減少すると、2020年過ぎにはとても「産油国」とは呼べない水準にまで落ち込むのでは、とのこと。最も北海油田自体の推定埋蔵量はまだかなりあるらしいので、あとは探鉱次第、ということではあるのでしょうけれど。ちなみに探鉱や採油にはさまざまなハイテク技術が使われているそうです。

へえ、と思った一つ目は、フランス沖のチャネル諸島(英植民地)にあるサーク島が、16世紀から守ってきた封建主義の憲法を廃止することを決めた、というニュース。いまだにそんな地域が世界にあるなんて。

二つ目はInternationalのページで、幸福度に関するギャラップ社の調査についての報告が載っていたのですが、IPSO社その他の調査と比較すると面白いデータが浮かびます。基本的に、金持ちの国は幸せ。だから日本は世界の中で結構幸せ。それと、日用的なものを買う力の大きな人は幸せ。無論健康も幸せでしょうし、宗教的な幸福もあるでしょう。途上国で、トップに位置する人は平均値よりずっと幸せ。エイズのある国で生き残れている人は健康面で幸せ。かつてブータンの国王が目指したGNH (Gross National Happiness)という考え方が頭をよぎりました。幸せって何だっけ、というコマーシャルがありましたっけ、その昔。