新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

トルコの先行き

7月21日号の特集はイランについて、ですしLeadersのトップ記事もイランの謎、と題して民主主義を貫きながらも一貫して反西欧路線を取り、国際社会との対話も積極的に行っているとは言えないイランの現状分析です。それでも目を引いたのは、Briefingで語られるトルコの近未来だったのは、何も日の丸と逆の造りになっている国旗(赤地に白い三日月と星)だけが理由ではなく、イランと違って国際社会の対応次第ではまだいくらでもやりようがある、という状況の違いも作用したように思います。クルド人問題にしても、EU加盟にしても、対話の成果がWin-winゲームとなる期待が、まだかなりの程度ありえる点で、イランとはずいぶん感触が違います。無論、深堀してゆけばキプロス問題や最近ではイスラム政党の台頭やフランスの拒絶反応等、決して簡単ではないのですが、最低限トルコは国際社会との対話を望んでおり、国際社会も対話の努力を続けてきた(し、今後も続くはずである)という状況の違いがあります。この差は何なんだろう、と頭を使いながら今週は記事を読み進めたいと思います。

その他、Leadersはエアバス社の親会社EADSを巡る独仏政府の妥協、バーナンキFRB議長によるインフレ警告、米民主党の大統領候補選び、リトビネンコ氏殺害を巡るロシアとの関係など。Asiaでは、私にとっていま一つの注目ポイントであるパキスタンのムシャラフ大統領による続投宣言、北朝鮮と六カ国協議につづき、小泉首相再登板を期待する日本(?)という記事があり、ちょっとriggingのにおいを感じてしまいました。