新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

解放された5人の看護婦たち

7月28日号を読んでいて、ふと目に止まったのがリビアでエイズ予防策を施さず400人の子供をHIVに感染させたとして逮捕され、裁判で死刑判決を受けていたブルガリア人の看護婦たちが解放された、というニュースでした。連日タリバンに拘束された韓国人の人質についてのニュースがテレビで流されていたせいかも知れません。このニュースはどう扱われているんだろうと思いAsiaのページに戻ってみても、タリバンアフガニスタン政府との抗争に関する報告はあるものの、それらしき記述がないため、ニュースが間に合わなかったものと思われます。

かたや非合法政権による拉致事件で、こなた正当な手続きを踏んだ裁判による拘束ということで、同列に論じるのがふさわしくない話かもしれません。しかしどちらもイスラム圏に対する医療援助の中で起きた懸案事項であり、特にリビアからブルガリア人を救い出すために大きな役割を演じたのがフランス政府(救出後、政府専用機で国外へ)であるという話を読むにつけ、人道・人命に関して彼の国のリーダーがどのような覚悟を持っているのがが、強い政治的メッセージとして伝わってきます。

韓国人の人質については何故現地入りしていたのか、どのような経緯で拉致されたのか等、何らかの配慮があってと思われますが日本のメディアでは伝えられていないことがあるため、軽々な判断はできませんが、事実報道に同情的意見ばかりをあふれさせる報道ではなく、「ではどうすればよいか」を考えるための報道であるべきなのに、と私は思ってしまいます。来週のThe Economistがこの件をどう伝えるかに興味が向きます。