新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

すれ違いの弊害

7月28日号のInternationalのページには、北朝鮮での活動を巡って隙間風が吹きだしたUNDP国連開発計画と米政府の関係を憂慮する記事が出ています。外貨の供与を巡って、UNDPの供与した資金が北朝鮮政府によって軍事目的に使われていたのではないかと言う疑惑、程度の話は日本でも報道されましたが、この報道はさまざまな憶測を持って語られているようで、たとえばオランダの新聞では、UNDP次席のメルケルト氏(元世銀の倫理委員長で、ウォルフォビッツ事件の究明にはキーパーソン)に対する攻撃ではないかとの観測をしているようです。

いずれにせよ、不確かな点があるのなら、米政府とUNDPは共同して確認作業を行うべきではないか?というThe Economistの主張は正しいように見えます。特にこれまでデルビシュ総裁の下、アメリカとは上手くやってきたUNDPの立場を損ねるのは国際機関全体にとっても、また国際社会にとっても利益の少ない選択肢であるように思えます。次席に対する個人攻撃云々の憶測はこの際優位に扱われるべき話ではないことを、The Economistならではの言い方で訴えた、と言うことかと思われます。