新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ブルキニって、知ってますか?

8月4日号のMiddle East and Africaで気になったのは、日本でも代表チームの敗戦後はろくに報道されないアジアカップサッカーでイラクが勝利したことについての記事です。決勝戦でゴールを決めたエースストライカーのユニス・マハムドはスンニ派でも、一躍国民的スターになったとのこと。それでも宗派対立の構図は基本的に変わらず、サッカーがかもし出した国家統一のムードも、あっという間にしぼんでしまった、というお話です。Europeのページではドイツの一部に根強い再生可能エネルギーから原子力発電へ、という意見がまだなかなか動き出しにくい状況にあること、イスラム政党と世俗主義の対立的共存が一層対立的になった選挙後のトルコについてなど。Charlemagneは猛暑のヨーロッパで山火事消化に活躍する消火飛行機にたとえて欧州の政治家に実効性ある政策を求めるという皮肉。Internationalのページでも、イラクのサッカー勝利にひっかけてデンマークで行われたホームレスによるフットサル世界選手権でみんな頑張った話が目を引きました。Businessのページでは、需給バランスの偏りで、価格が往時の10分の一まで落ち込んだ欧州排出権市場(lightly carbonated=微炭酸、というタイトルが面白い)、中国ビジネスと汚職の構造的不可分性についてなど。

なんと言っても「へえ」と思ったのは、イスラム教徒向けマーケティングの国際化、でありまして、マクドナルドが試行的に始めたハラルチキン(イスラムの作法に則って調理された鶏肉)を使ったメニュー、そして極めつけが全身を覆う女性用水着、「ブルキニ」であります!ブルカとビキニを併せた造語ですが、写真を見て「何時の時代だろう?」と思ってしまう人も居るかもしれません。でも、これも21世紀の現代なんです。バービー人形に対抗して(?)発売されたフラという人形も、スカーフをつけ、仕事をしておらず、料理やお祈りで一日を過ごす設定だとか。なるほど。