新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

金融市場の国際化

8月25日号のFinance and economicsのページでは、ロンドン証券取引所との合併に失敗したNASDAQとドバイのBorse Dubaiという証券取引所の双方から熱い視線を送られている北欧の証券取引複合体であるOMXを紹介しています。スカンジナビア諸国からバルト三国までを商圏とするOMXは「クロスボーダー合併のパイオニア」として先行者ノウハウも獲得している強みがあります。ライバルのニューヨーク証券取引所ユーロネクスト市場の支配権を獲得したことから、NASDAQとしても是非ヨーロッパでの橋頭堡を築きたいところでしょうが、今のところオファーされた価格はBorse Dubaiのほうが高いようです。多国間取引の促進につながる合従連衡は株式市場のスムースな運営のために非常に大切なものだとの認識は妥当だと思います。OMXは50カ国以上で60以上の取引市場を運営しているのだそうで。

さて、NASDAQとの縁がなかったロンドン取引所(LSE)はというと、イタリアの中堅どころとの連携は決まったようなのですが、デリバティブ取引等がその内容に含まれないため、連携効果はそう大きなものにはなりそうにないこと、当座他所との急速な関係構築には動いていないこと、が末尾にちょっとだけ触れられています。