新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

イラクが上手く行ってるって?

1月5日号は薄手で、特集記事を入れてもいつもよりゆっくりと読める分だけ時間を掛けて読んでいます。Asiaでは北朝鮮の核施設無力化が年末の締め切りまで(ある意味いつものとおり)の約束が履行されなかったことに関する報告と、どうやったらかの国に締め切りを守らせることができるのか、について多少強硬路線を匂わせるような論評があり、台湾総統選挙の行方やインド・グジャラート州のBJP政権が強いこと、そしてスリランカの爆弾テロの話など。United Statesでは最終年を迎えるブッシュ政権の退潮ぶりについての記事があるのですが、この中でイラク問題への対応が比較的上手く行ったこと、昨年ベーカー元国務長官ら超党派のイラク・スタディ・グループが提言した早期撤退を受け入れず、増派を強行することで自爆テロを減少させたことについて好意的な評価がなされており、基本的に最終年は外交を中心とした展開になるだろう、との観測が書かれています。The Economist的な観測ではイラク問題は上手く処理されつつある、ということなのでしょう(そもそもThe Economist自体、イラク派兵を最初は支持し、昨年中葉までにこの判断が誤っていたと認めるような記事を何度も書いていますので、評価もごく短期的な自爆テロ減少に限られるものと思いますが)。混迷する共和党大統領候補選びに可能性を残すジュリアーニ前ニューヨーク市長とブルームバーグ現ニューヨーク市長の動向についての観測記事と、財政難の結果厳冬にもかかわらず市営交通をリストラせざるをえないかもしれないシカゴの通勤事情など。寒い冬にバス路線が廃止されて歩かなくてはならない、なんて日本では(今のところ)考えられませんが、2400人もの交通機関関係者が職を失う危機に瀕しているとの報は、ある意味でアメリカらしい一面を知らせてくれています。