新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

電子政府

2月16日号の特集記事は電子政府、すなわち公共サービスの電子化に関する進捗について、ということで、これは日本の各省庁、自治体も取り組んでいるところと思いますが、The Economistに取り上げられるほど「すごい!」という変化ではなかったようです。ダメな例として挙げられていたのがイギリスのかかりつけドクターから専門医への紹介を支援するシステムで、システムの立ち上がりに時間がかかりすぎること、難病など、選択肢に当てはまらない病気を処理できないことなど、使いにくいとの定評が立ってしまったのだそうで、なおそのシステムについて評価してくれた医者は記者のご姉妹だったとか(単なる偶然、とあります)。逆に改善の例はいくつも出ていますが、印象的だったのはインドの、おそらくは世界有数の非効率な公共サービスを電子化が改善したことにより、「かつては行列(in line)していたのが、電子化(online)で改善された。(時間を使うなら)役所まで通う(commute)のではなくcommunicateするのがよい。」というコメントですかね。時間やその他もろもろを犠牲にして成り立っていた巨大な官僚機構が、電子化でスピードアップされればそれは確かに大きな改善だろうと思われます。そのほかにも業務民営化や携帯の活用など、豊富な事例が報告されていますが、全体的な結論からいえば電子化はまだ途上。どんなに電子化が進んでも、ダメな組織はダメなのだ、というThe Economistらしい結論で締めくくられています。