新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

中国のエネルギー資源開発事情

祝日の関係で報告が一日遅れくらいになってますが、3月15日号の特集記事は海外で盛んに行われている中国による資源開発に焦点を当てています。ケヴィン・ラッド豪首相が中国語に堪能なことと併せて、オーストラリアにおける中国の存在感の増大(ついに昨年日本を抜いて、同国貿易シェアでは一位になったそうです)、資源という見返りを求めるアフリカでの大規模インフラ投資(西側先進国が累積債務に関する徳政令を出したあとの空白地に入り込み、資源という手形を出させるやり方はいかがなものか、との批判は強い)や国際社会から締め出された国々(ミャンマー、イランなど)における援助など、なりふりかまわぬ投資を続けてきた中国も、最近国際社会の世論を意識してか、スーダンのPKOには自国軍を出すまでになったとか。

この問題にはさまざまな分析がありえると思うのですが、たとえば遠隔地の石油資源開発に資本参加した中国は最近、得られた原油を自国活用するよりは高値の続く市場で売りさばき、その資金を近隣諸国などの開発に当てる、という行動を取ることが多いそうです。マクロ経済学的に見れば、消費がタイトになっている市場で得られた権利を売って、供給を拡大しようとするこの行動は理にかなったものだと言うこともでき、西側には手の出せない資源開発を進め、結果として国際市況の緩和に一役買っててくれている、という見方が成り立つわけですね。

どのみち市場経済に依存して生きてゆかざるを得ない立場は変わらないわけで、そうだとすると、批判一辺倒ではない「理解」も重要になってくると言うことかと思います。