新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

再登場の意味するもの

5月3日号のBusinessです。

長期低落傾向のアメリカ新聞産業、それにくらべてインドでは過当競争という話、ガム・チョコレート業界の再編、資源開発分野での投資が続くインドネシア、環境技術を使って起業する人を育てようというアメリカの人材育成プログラムの話など。いわゆる環境ベンチャーを成功させようという取り組みは日本でもすでに行政が手がけていますが、起業家育成に焦点を絞ったやりかたがアメリカらしいなあと思います。

で、Face valueは3年ぶりにDellのCEOに返り咲いたマイケル・デル氏についてでした。BTO(Build to order:受注完成方式、すなわち完成直前のパーツを受注仕様にあわせて最終製品化し配達する方法のことです)をわかりやすい形でビジネスモデル化し、大成功した創業者がなぜ経営に戻ったのか。アップルのスティーブ・ジョブス氏がそのカリスマ性やデザイン哲学で二度目の成功を演出したことに比べて、デル氏の再登板には新規性が薄いこと、成功体験や継続性こそがDellのトラブルを招いた元凶ではないか、とのやや辛らつな批評で再登板を疑問視しています。確かにサプライチェーンの見直し(店売り)、サービスの強化、デザイン性ある商品開発などはどれをとってもこれまでのDellを変えようとする人が考え付く話であって、やや納得感に欠けるかな、という気もします。まずはお手並み拝見、というところではないかと思います。