新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

対立の後に

5月17日号を読み進めています。今週はなぜかとても忙しく、久しぶりに読み残しが出そうな雰囲気ですが、後半部分にざっと目を通した中で目立つのは貧困層に対するマイクロクレジットで儲けを出している筋に注文をつけるようなレポートや食糧の上限が人口を決める、としたマルサス理論への批判あたりでしょうか。

少しさかのぼりますが、Middle East and Africaを読んでいて目をひかれる囲み記事があったのは、ケニアで選挙をめぐる先頃の部族対立の惨劇を芸術の題材として見せる試みがナイロビで開かれている、そこに出展されている主な写真は現地の若手新聞記者とチバ・ヤスヨシさんという勇気ある日本人の二人によるものだ、ということでした。

チバさんがどういう方か存じ上げませんが、ネットを見た範囲ではAFPなど大手通信社が彼の写真を使っているようでした。

http://www.flickr.com/photos/22148477@N08/

Europeでは、好調と言われているユーロ圏も原料高騰によるインフレと、クレジット収縮による景気後退の脅威にさらされていること、それでも高級品の輸出等が好調なためアメリカよりはマシな状態だ、との記事は最近の一貫した論調と変わりありません。

Obituaryは(えらく飛びますが)、60年代前半に白人と黒人の結婚が違法だったバージニア州で、自らと白人男性の結婚を認めさせたミルドレッド・ラビング女史の逝去を伝えています。享年68歳。アメリカとはつい最近までそんな国だった、という象徴的なお話。

明日から5月24日号です。