新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

二番煎じ

5月31日号のMiddle East and Africaには、珍しく日本の名前がありました。先日横浜で開かれたTICAD4に関する論評です。それによると、四年ごとに開催される会議を通じて日本がアフリカへの貢献を約束した背景は資源獲得にほかならない(それと国連常任安保理事国入りへの支持も)、との分析がなされています。その際日本の官僚が口にしたと言う「人権や社会への配慮をしない、西欧諸国とは異なる中国の支援」という言葉尻と、インドや中国が昨年来開催してきた同様の国際会議(ヨーロッパも昨年ポルトガルでやりました)を引き合いに出し、「日本は第二次資源争奪戦に遅れて参戦した、そしてそれを判っている」との結語です。

日本のメディアはTICAD4を「日本発の国際会議」という言い方で、さもそれがユニークな取り組みであるかのような報道をしていたように見受けました(すべてのメディアに目を通したわけではないので、正確な理解とはいえないかもしれませんが)。しかしながら、資源争奪戦が激化する中でのThe Economistの捉え方はなんとこんなもんです。

1993年以来、努力を続けてきたとの自負は関係者の中に強く存在していると思いますが、大局的にみればやはりそれは内向きの努力であって、国際経済の動向によってはそれが4回目の会議であるにもかかわらず、二番煎じ扱いされるということですね。過去16年のアフリカの努力と変化、にもう少し強く焦点を当てて、継続的なコミットメントのほうを前面に出すべきだったのではないかと、いやこれは後知恵にすぎませんが。

http://www.economist.com/world/africa/displaystory.cfm?story_id=11461707