新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

さよならビル・ゲーツ

6月28日号を読んでいます。

相変わらずの忙しさで遅くなったのですが、今週目に付いた記事といえばやっぱりLeadersのトップを飾ったマイクロソフト会長のビル・ゲーツ引退のニュースでしょう(CEOのスティーブ・バルマーが以外と古くからマイクロソフトにいたことを今回初めて知りました)。はたしてマイクロソフトが再びIT業界の雄として成長するのか、あるいはこれが同社の曲がり角を象徴するものなのか、興味は尽きません。

http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=11622119

それともう一つ、かつてこれほど民主主義を冒とくした指導者がいたかと思われるジンバブエロバート・ムガベに関する記事もじっくりと読ませてもらいました。以前にも書きましたが、彼のような独裁者が民衆に対してどれだけひどいことをやっているかを、ある意味リスクをとりながらかなり具体的に描写するというのがThe Economistの手法です。アメリカを含めて英語のメディアはどれもやる手ですが、ネームバリューもあいまって特にThe Economistの批判記事は説得力があります。野党支持者の家族への暴力や虐待など、以前にThe Economistが予想したとおりの非道ぶりを遺憾なく発揮しています。

http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=11622442

彼の所業はある意味、21世紀の人類に対する侮辱の罪とさえ言えると思います。TICADなど自国中心の政治日程に流されたジンバブエに対する融和的な対応は「所詮アフリカ人は民主主義を実行できないだろう」的な、「見下し目線」の反映と取られても仕方ないのではないでしょうか。日本政府は、批判すべきはきっちり批判するという態度を見せるべきだと思います。