新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

格闘―影響力を求めての

7月3日号です。なにせ忙しくて、時間が取れない日々が続きます。もう少しなんとか時間をやりくりしてうまくブログをつけたいものですが。

閑話休題、トップ記事の後のBriefingは、G8サミットにひっかけて国際社会のなかで影響力を行使しようとするWest(西側諸国)と、自らの利益を確保するためにそうはさせじと動くthe Rest(その他)のせめぎあいや、国連などの政府間組織、ASEANなどの地域連合など異なる視点から、影響力をもとめて虚々実々の攻防に身をやつす各国のありさまを簡潔に描いています。端的に言って、ジャーナリズムが国際社会の構造を語る時に大枠を引用するに足る高品質かつ超短期的な世界観と言えるでしょう。そも、今世界はどんな仕組みになっているのか、を短時間で大づかみに理解したい人には大変お勧めの記事です。

http://www.economist.com/displaystory.cfm?story_id=11664289

世界はせめぎあい、交渉は多角的・多極的で、利害は流動的。経済は貯まる二極(欧・米)と流れる二極(中東・ロシア)、そして膨らむ二極(中・印)に稼ぐ一極(日本、でなかったら日系資本)という絵姿ですが(あくまで私の私見です)、政治は全く違う絵姿になり、The Restの声がぐっと大きくなります。戦争に訴えるほか、あまり調整の手立てを持たなかった19世紀に比べ、意思の疎通が今ほど簡単になった時代はないというThe Economistの分析は本当でしょう。そんな中、日本が描くビジョンは一体何なのか。

G8サミットも、かつてのような経済面での絶対的影響力を持つという存在でもなくなったので、日本のビジョンがG8でどう扱われたかはさほど問題ではないという見方があるのかもしれませんが、だったら何のためのクールアース50で、何のためのTICADだったのかということをビジョナリーたる人間は責任を持って説明すべきです。それを果たせたとしたら、意外と福田首相の人気も盛り返すのではないでしょうか?外交は票にならないと、昔誰かが言ったそうですが、今の日本人も同じだと見下されるほど海外音痴ではなくなってきていると思いますけど私なんか。