新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

山椒大夫今昔

8月16日号後半です。Internationalのページで目に留まったのが、Human traffickingとかHuman smugglingと言われる国際的な人買いについての話。拉致誘拐も含め、調達された人間をさまざまな目的のために第三国へ送るのですが、Traffickingが一応正式な入国手続きを踏んで非人道的な環境で強制的な労働や売春に従事させられるのに対してSmugglingは密入国によるという違いはあるものの、先進国においては(日本も例外ではありません)洋の東西を問わず問題になっています。仲介者に船に乗せられ、トルコ近くまで連れてこられて海に放り込まれたソマリア人の話がコラムに載っていましたが、一緒にやってきた友人たちはおぼれ死んだそうで、問題の非人道性を象徴するような話です。経済原則を重要視するThe Economistにしては珍しく、「買う側にも解決を進めるヒントがある」といった婉曲な表現で締めくくっていますが、原則?稼ぎたい人がいて、?稼げるかもしれない市場があって、?その市場へのアクセスが限られているとすれば、その間を埋める商売は黙っていても発生するわけで。いずれにせよ、どの国にも通じるルール作りは難しい、というのはその通りでしょうね。特に人を出す側については。

http://www.economist.com/world/international/displaystory.cfm?story_id=11921830