新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

民主主義の価値

8月30日号前半です。
Leadersは米大統領選挙に臨む共和党マケイン候補、イラク駐留米軍、コソボとは違う南オセチア問題、アメリカとインドの核をめぐる二国間交渉、アメリカの住宅専門金融機関とサブプライムローンに端を発する信用収縮についてなど。マケイン候補についての特集がLettersの後に続きます。そしてAsiaはマレーシア、タイの政局、オリンピック後の中国、アフガンの混迷そしてパキスタン、中露と中央アジアについて。United Statesは大統領選挙とハリケーン対策、Lexingtonは民主党の副大統領候補指名についてとなっています。

南オセチア問題は、世界が支持したコソボ問題とはわけが違う、と言う議論はなるほど、とうなずけるのですが、パキスタンでムシャラフ退陣後の政局の混迷と、保身のために裁判官罷免を継続して与党分裂を招いた現政権を民主主義の結果として容認する書き方はどうも納得できません。途上国はその発展のために専制的な政権運営を許されるべきだという考え方が「見下し目線」であることは百も承知ですが、たとえば私利私欲と汚職にまみれた前歴のある政治家しか選べない民主主義と、腐敗とは無縁の専制型政権のどちらをとるか、と言われれば、国際社会の中に後者を支持できる議論の基盤があってもよいのではないでしょうか、と思ってしまいます。The Economistにそれを期待するのは酷でしょうけど。

http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=12009678
http://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=12010369

9月になったのに、暑いですね。日本の政局を来週のThe Economistがどう伝えるか楽しみです。