新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

底辺の14億人

8月30日号の後半です。

私の周辺では注目されている話題の一つなのですが、世間的にはまだまだだと思える話の一つに貧困の話があります。この記事も世銀の調査に関するお話なのですが、まずは2007年4月の発表で、「1日1ドル以下で暮らす」貧困層が初めて10億人を切った、という話。つぎに、購買力を比べると、この時点で貧困のボーダーラインは1日1.25ドル以下に引き上げられるべきで、そう考えると約14億人が貧困層であると分析できる、との話。

もっともこの前提にも疑問があり、アジア開発銀行の調査によると貧困層は大量買いをしないので、生活必需品の消費単価は高いはずであるという前提が実は正しくなくて、同じく煙草を一本買うにしても、貧しい人は普通の店ではなく箱売りよりも安い流通経路で買っている(インドネシアでの調査結果)、その生活コストは貧困層でない人たちにくらべて21%も安い、との分析もあるそうです。そのように見直すとふたたび貧困層は10億人よりも少なくなるのではないかとのことですが。世の中いったい、何が正しいんだか。

http://www.economist.com/finance/displaystory.cfm?story_id=12010733&mode=comment&intent=readBottom