新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ヨーロッパの微妙なバランス

9月13日号のCharlemagneですが、対ロシアというパワーバランスについて極めて微妙な立場に置かれたヨーロッパの「立ち位置」についての話が載っています。某国内メディアによると、永年中国との懸案だったウスリー川中洲の島を中国領土として認めることで、最近中露の調整がついたそうですが、だとすると本来的には北方領土も交渉時期かもしれません。もっとも日本は(特にロシアに対しては)国際政治におけるパワーゲームを放棄してしまったようなところがあるので、必ずしも当てはまる議論ではないかもしれませんが(先方はとっくにご承知らしく、西を向く前に片を付けたのはウスリー川問題の方だった)。

それだけ後顧の憂いを絶って西を向いたロシアですから、アメリカがいなければ軍事的には優位と見て動くのは間違いのないところかではないかと思います。そのような展開になったとき、エネルギーの束縛から逃れられないEUがどのような立場をとるのか。どうやらロシアはこれらをバラして個別の国と話したいらしいです。たとえ足並みに多少の乱れはあったとしても、個別ネゴは踏み越えられない一線でしょうね、影響力を最大化したいEUにとって。

http://www.economist.com/world/europe/displaystory.cfm?story_id=12203018