新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

それほど揺れ動いているという

10月4日号、お約束の米大統領選特集について。

United Statesのトップ記事では、経済について全米の経済学者にアンケートしたところ、経済政策の面では圧倒的にオバマ候補有利との結論が出たそうですね。またここ二三日のテレビや新聞なども金融安定化法案のその後をめぐる議論などと関連付けて、オバマ氏に有利な論調が高まりつつあるようです。しかしながら。

タイトルは「経験と希望の戦い」となっていますが、分量からするにある程度時間をかけて書かれたと思われる特集記事では、かなり入り組んだ評価が詳細に書かれています。端的に言うと、経済・規制・医療等の分野でオバマ候補が、進行中の戦争や安全保障、価値観などの点でマケイン候補がリードしているとのアンケートなども交えて両候補の優劣を分析しているのですが、どうしても経済問題と絡めて考えてしまいがちな中、同じ減税ひとつとってもマケイン氏が大企業や富裕層に有利な減税によって景気刺激を打ち出しているのに対し、オバマ候補は「負け組対策」とでも言えそうな下にやさしく上に厳しい内容となっています。選挙なので、よほどのことがない限り下にやさしい方が強いわけですが、たとえば価値観の問題、それに(意外にも)戦争や、安全保障での優位性は侮れないと思います。

最近のテレビ討論では個人攻撃ばかりが目立ってしまったらしいマケイン氏ですが、たとえば「価値観」なんていうところに焦点を当てて話をすれば、有権者の反応も少し違ってくるかも。それとも最後の切り札ですか?
http://www.economist.com/displaystory.cfm?story_id=12321683

あとは、やっぱり人種問題じゃないでしょうかね。私見ですが、たとえばリベラルな話題を好み、門柱や車にはオバマ候補のステッカーを貼り、ボランティア活動に精を出し、民主党大会はテレビ中継にかじりつき、電話インタビューでオバマ支持と答えながら投票所での行動が伴わない人・・・なんていうのが、実は結構いたりするんじゃないかと見ています。はたしてそれが逆転を可能にするものかどうか、については判断がつきませんが。