新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

現れなかったブラッドリー効果

一週間とちょっとのご無沙汰です。11月8日号ですが。

前半をざっと見て、やはり目を引かれるのはアメリカ大統領選の投票結果内訳でしょう。選挙人の数では大幅にオバマ候補の勝利となりましたが、投票総数では8%程度の差と、事前の支持率を裏付けする数字となり、一部でささやかれていたブラッドリー効果なる現象は起きなかったように見えます。でも本当にそうなのでしょうか。

記事に載っている内訳をみると、シンプルに男と女では男性がほぼ半々に分かれたのに、女性はやはりオバマ候補に投票していて、カネ持ちはほぼ半々なのに年収五万ドル以下の人はオバマ。圧倒的多数の黒人と大多数のヒスパニックはオバマで、マケインの負けを決定づけたのは、圧倒的支持層がなかったこと、でしょうか。それでも最終的に白人は小差でマケイン、ということで、顕著に表れこそしなかったものの、やはりブラッドリー効果なるものにつながる素地を、一部の人は持ち合わせているということなのでしょうね。

さて、ウェブはもう11月15日号になっています。Leadersで目を引くのは、中国の経済政策に対する世界経済の目線からみた期待、というかいらつき、のような話でしょうか。内需拡大や財政支出による景気刺激策について、あれこれと議論は重ねられていますが、読者のコメントも今一つ乗りが悪いのは、大仰なタイトルの割に当たり前のことしか書いていないから、だとも取れます。
http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=12601956

もうひとつは、いよいよ危なくなってきたビッグスリーについて。日本の自動車メーカーですら期間工や派遣社員のリストラを進める状況ですから、ある意味当然ともいえる展開ではあるのですが。コメントも、救済策を疑問視するものが大半ですね。
http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=12601932