新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

人手不足の話

11月22日号の後半で目立ったのは、Businessのページでアジアにおける管理職人材の人手不足についての記事と、不況を乗り切るには、というBriefingの記事でした。

上海あたりでマネージャーの平均的勤続期間は15か月、それで優秀だと引き抜かれたり、自らより給料の高いところへ移ったり。いわゆるジョブホッピング和製英語だと思いますが)があたりまえ、というくらい管理職層の人手不足は深刻らしいです。ただ、同じ記事の記述にある「2009年も力強い拡大が続く」「熟練労働者の賃金は依然として上昇傾向」といったあたりは、多少なりとも割り引いて読む必要があるのではないかと感じましたが。アメリカへの輸出が頭打ちになって来つつある現状を考えるに、やはりそれなりの影響は出るでしょうし、だとすると管理職層の賃金も多少は影響を受けるのではないかと思われます(ばらつきが大きくなり、余計にジョブホッピングを助長するかな?)。

不況を乗り切る策は好況のときと真逆の話で、いかにキャッシュを回すか、手元流動性を確保するかという話に尽きそうです。好況の時代にはやれアウトソーシングだの再投資だので、手元にキャッシュを置くなど期待利益の遺失そのものだ!的な発想も強かったと思うのですが、なにせ信用収縮の真っただ中では信用を確保するイコールキャッシュを確保する、ということのようで。

Economic focusは健康と富の相関関係について。平均寿命の上昇は急激に経済を刺激したりはしないが、中長期で見れば健康増進は経済にもたらす影響は大きいとの話。

Science and technologyでは、落書きの放置はさらなる犯罪の拡大を助長するという記事がありまして、確か似たような話を以前日本でも聞いたことがある気がします(だから公衆道徳は大事、という話も)。あとは少し開発が進んできた幹細胞を利用した治療方法の検討が続いているくらいですかね。

ウェブサイトでは今日付けのニュースでBHPパリバスがリオ・ティントの買収に失敗したという記事が前面に出るような装丁になっています。読者コメントも、どことなく・あるいは明解的に買収を支持しないものが多かったように感じます。