新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

タイの混乱、インドの悲劇

11月26日のウェブ版からです。

今日の更新は、タイの混乱とインドの悲劇を伝えるニュースで、おおむね他のメディアが取り上げているような事実関係の報告が中心になっています。タイの混乱についての読者のコメントはどちらかというと座り込みを続けているPAD支持者のものだと思われるタクシン批判と、どちらかというとタクシン派と思われる都市生活者の既得権益に固執するPAD批判、第三者と思われる有望な解決策のないことに対する悲嘆の三様に括れるようです。地方の貧困層へのアプローチが票の買収で、都市デモが既得権益にしがみつきたい人のゴネ得狙いのパフォーマンスだとしたら、なんと救われない民主主義かと思いますが、日本の牛歩戦術も、あるいは一人八千円のバラマキも、実はよく似ていたりするようにも思えるのですが。

インド(ムンバイ)で起こったことは、まごうことなき悲劇です。あるいは今この一瞬も続いているかもしれない米英パスポートを持つ外人狩り(The Economistはこの点をしっかりと書いています)は決して許される振舞ではありません。ただ読者のコメントは、ためにする議論を狙った二名ほどの撹乱者によって100件を超えるコメントであふれかえっています。撹乱者は頭の固そうなスリランカ人と、インドの内政の矛盾を快く思わない人なのですが、おかげで随分と時間をかけて全部のコメントを読まなくてはなりませんでした。時間のない日本人にとっては良い迷惑でした。他のネットメディアに比べて良質の読者コメントが期待できるThe Economistですら、時折ですがこのような現象が見られます。