新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

11月29日号前半

今週は、インドの悲劇とタイの混乱のニュースが目立ちますが、前半を通読して目立つのはイラク政府がアメリカ軍の駐留期限を問う(議会で2011年末までとの議決をする)までになったという話と、ヒラリー・クリントン女史が新政権の国務長官を任されそうだという話だと思います。

イラクについては、当初脆弱だった政権基盤をまとめることに成功したマリキ首相が、当初はだれも思わなかった指導力を発揮しつつあって、シーア派民兵組織への強硬対応とアルカイダの排除、そしてクルド人自治政府との融和的ではないものの危機的ではない関係のなか、アメリカを必要としないイラクへ一歩踏み出した、という感じに取れます。以前危険なバグダッドですが、一時期に比べると平穏な様子が写真からも伺えます。

で、アメリカですが。United Statesではこれまでの履歴から「ヒラリー女史には管理者としての素養が欠ける」、と一刀両断にしたかと思えばLexingtonでは「スターとしての力量と知識の力」で難局に当たることを期待する、というような表現もあったりで、書き手が違うためかもしれませんが、非常にばらつきのある論調になっています。

アメリカの戦争は、イラクの方がアフガニスタンよりも早く決着しそうな勢いですね。その意味からいえば、「イラクは撤退し、アフガンは戦う」とのオバマ次期大統領のスタンスは意外と正しかったのかもしれません。

あと、中国が米州開発銀行のメンバーになったんだそうで。もちろん、ドナーとして、ということですけど。