新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

11月29日号特集 ロシアについて

The Economist 今週号のロシアに関する特集は一読の価値があります。

昔冷戦時代にH.Smithの書いた「ロシア人」という本を読んだことがありまして、今回の記事を読んでいて、その時「さすがベストセラーになる本は違うなあ」と微細かつ深遠な洞察に驚いたことを思い出しました。

エリツィンからメドベージェフに至るまでの政変劇とその裏にあるロシア内政の力学、ある意味で日本よりひどいと思われる官高民低の社会構造とワイロの習慣(どうかすると問題ですらない)、急速に進む少子化、アルコール依存社会、周辺国との力関係と脆弱な存立基盤に立った資源高騰によるひとときの繁栄まで、「ロシアの今」をするどく浮き彫りにしてくれています。

最近はロシアといえば佐藤優氏の本が有名ですが、彼の本が主に日本との二国間関係を中心に据えた読み解きであるのに対して、今週号の特集はアングロサクソンから見た、ある意味で白人社会にあってもっとも気になる存在(もっとも理解しづらい存在?)であると思われるロシア(人)に関する記事なので、視点の違いは大変興味深いです。社会のすべてがコミットしているとさえ思えるワイロの話はどうかとして、官尊民卑といわれる日本の社会構造を考えると、アングロサクソンが理解しきれていなくても日本人のほうが共感をもちやすい部分もあるのではないかと思ってしまいました。

後半についての報告は明日以降になります。出張のため、書き込みにバラツキが出るかもしれません。いつものことながら。