新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

教育への関心

1月3日号の特集記事は「海」についてでした。気候変動、資源、漁業そして養殖・畜養など、海に関係する諸問題への鋭い切り込みは流石なのですが、できれば海洋汚染や無法化するクジラ保護活動など、これぞジャーナリズムの真髄とでもいえるところまで踏み込んでほしかったと思います。よくThe Economistが引用するコトバですが、「だれかがやってきて、頼むからその記事を載せるのをやめてくれ、というものでなければジャーナリズムとは言えない」という考え方は同誌のスタンスをよく表しています。その意味では新年号のページを、誰もが妥当と認める議論で埋めたことへの点数は、まあまあ合格と言う以上のものではないという気がするのですが。

Internationalでは世界の大学で進む学生の国際化とアメリカの大学で半ば常識となっている外人学生の入学エージェント(留学用旅行代理店みたいなもの?)のお話でした。大学生の国際化について積極的な意見を述べているのが立命館大学(大分の?)のホンマさんという方なのですが、日本では大多数の大学が国際化を志向しつつも現実的には言葉の壁もあって難しいというのが本音なのではないでしょうか。

暮れにかけて、仕事でモンゴルに行くことがありました。モンゴルの大学教育もモンゴル語で行われているようなのですが、日本語をモンゴル語に訳すると時間で三割増、紙面で五割増になるのをまじかに見て、日本語はなんと合理的な言語かと思ったものです。同様にロシア語も紙面では大変冗長になりますし、だいたい大学教育を自国語でやれない国も数多くあるわけで。

長期的趨勢として留学が珍しいものでなくなることはとても良いことだと思うのですが、それもまた各大学の個性であってよいのでは、と思ってしまいました。