新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

100年争い続けるということ

1月10日号のLeadersですが、Leadersとしては珍しく2ページにわたりイスラエルのガザ地区侵攻について、そのほかには英国製造業の雄、ロールスロイス社の成功について(車じゃなくてジェットエンジンですが)、景気対策に予算を取られるオバマ新政権の財政、そしてロシアとウクライナのガス問題と、とばっちりのヨーロッパについて。

興味深かったのはそれよりもLettersで、「ガザ地区への人道支援物資輸送を認めることでハマスのロケット攻撃が激化するようなら軍事的解決も止む無し」とした昨年12月のThe Economistの記事とそれが現実化したことへの断定的な支持と、「娘が寝ているところにロケット砲が打ち込まれたら断固たる対応をするだろう」と言ったオバマ新大統領の発言への懸念(だからといってロケット発射基地の近所の家まで破壊しても良いのか?)の両方がそれぞれ別の個人から寄せられています。

圧倒的な優勢を誇る敵と100年戦い続けるために。弱い市民を狙う。援助物資搬入は攻撃のチャンス。子供や女性を攻撃の盾とする。ロケット砲は、民家から撃つ。それが彼らのやり方だとして、やはり800人殺すのは良くない、というのが国際社会の反応なわけですが。

やわな日本のメディアが深堀りしない中東問題への鋭い切り込みは大変参考になります。それが中東問題の大枠を自らの業により作り出したはずの、イギリスのメディアであっても。