新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

船出のあと

1月24日号です。
Leadersは内部資産の劣化に悩む大手銀行、オバマ大統領就任、停戦なったガザ地区をめぐる政治的思惑、ロシアと市場経済(の相性?)、宇宙探査と人間とロボットの関係について。Briefingはノルウェーと政治と環境、という実はとても結びつきが深いお話(日本にいるとどうしても目が向きにくい話、になってしまいがちですが)。

Asiaは中国の三大話として経済の停滞、軍事費の増大、台湾問題(今回は陳前総統の汚職疑惑に関する裁判について、ですが)、そして韓国の内閣人事、タイに流れ込むミャンマーの難民、印パ対立などについて。

やはりUnited Statesがオバマ大統領の就任と新政権の初動体制が非常に妥当かつ現実的なものとなったことについて、特にLexingtonが「オバマの裏切り(Betrayed by Obama)」と題して総括していたのが目を引きました。冷静に考えてみれば、早くからイラク戦争に反対したことを除けば(むしろ含めて)、彼は決してエキセントリックなことを言ってはいないわけで、閣僚人事やガザ地区へのイスラエル軍の攻撃などを含めて、むしろ妥当と思える発言が続いていましたので、裏切りというタイトルで煽ってみたところで、読者の反応は知れたものではないかと思います。むしろ彼が墓穴を掘らなかったことで裏切られた思いを感じているのは世界のセンセーショナリズムではないかとさえ言える状況でしょう。まさかThe Economistはセンセーショナリズムの片棒を担ぐつもりでもありますまいに。