新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

すでに大国である中国

3月21日号のLeadersですが、ここしばらくのThe Economistでも出色の記事があります。それはHow China sees the world (中国は世界をどのように見るか)と題された記事で、ここ最近の中国政府および首脳の立ち居振舞いから分析して、中国はすでに自国を大国と位置づけている、とその自意識を看破しているものです。

確かに、クリントン国務長官の訪問やG20における為替安定化の議論などを見ていると、国内にも待ったなしの問題を数多く抱える途上国の立ち居振舞いとは一線を画す落ち着きや配慮、戦略的思考などが見て取れます。

が、それよりなにより印象的だったのは、この記事がネットに流れてわずか4日しか経っていないというのに、読者コメントが330件に達していたという事実です。とても全部読む時間がないので、ざっと流し読みして気づいた点は、?中国人、もしくはその立場で発言する人がとても多い。仮に日本について同じような記事が載ったとして、日本人もしくはその立場で発言する人は(いつもそうなのですが)非常に限られるというのに。そして?ちょっと前までは、過激な議論の書き込みをためらわない学生崩れのような書き込みが多かったのに(今でも散見されますが)、少なからぬ投稿について議論の質は明らかに成熟度を増していて、Recommendの数が増えていること、?にもかかわらず、長期的にアメリカを抜いて世界のトップに立つ、という目標は明確に掲げられている、ということなどでしょうか。もしもこの論題にご興味をお持ちになる方は、The Economist本紙のみならず、ぜひネットで読者の投稿をお読みください。

大国であればこそ、世界に対して責任を持つ。一つの例として、欧米によってもたらされた民主主義よりも良い制度を提案する、という絵姿だって堂々とありうると思われるのです、たとえばアフリカから中国を見てみると、人権問題への対応はそこそこで良く、政治的透明性も必須条件ではない中でカネは出してくれるなど、都合良い「対案」提案国とも見えたわけですし(実際にはこれまでのところ、資源確保を中心とした露骨な国益追求がむしろ嫌悪感を誘っているという場面もあったようですが)。

2002年に?00万台生産突破という大ブレークを経験した自動車産業で言えば、もはや中国は立派な自動車生産大国で、その技術や品質もバカにできないレベルに達しているものと思われます。今は日本車が席巻している中・高級中古車市場も、そのうち「中国製」がブランド化して日本にとって代わるような日も遠くないようにすら思えます、長期的な覚悟についての書き込みを見ると。