新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

珍しいこともあるもんだ

今日から4月4日号がネットに流れています。その中で、「信じられない経済収縮〜日本の失われた10年が失われた20年になる危機〜」(The incredible shrinking economy)と言う日本経済に関する記事がありまして、分析は製造業が輸出依存を極めたため一気に経済が悪化したという、通り一遍の説を上書きしつつ、円は安定的に安いという妄信による「通貨バブル」が傷を深めたことが最大の原因という内容でした。政府の無策ぶりについての批判よりも、欧米は二の轍を踏まないよう、しっかりと学ぶべきであるという結論には脱帽です。

で、とても珍しいと思ったのはコメントの多さでして、公開初日にもかかわらず日本時間で3日午後10時段階で34件ものコメントが寄せられております。しかもその多くがとても質の高い議論で埋め尽くされておりまして(まあ一部例外もありますが)、社会価値などの視点から、日本の経済収縮を額面通りに捉えることへの警鐘や、高齢化など人口動態的分析を加味していないThe Economistの分析が片手おちであるとの批判などに加え、シブイさんというおそらくは日本人サラリーマンとおぼしき方からの、就労者一般を代弁する形で現状の日本に満足していない、とのコメントがあったことへの反応がいくつもあり〜日本を好きな方々からの応援が目立ちましたが〜、日本についての記事である「にもかかわらず」、コメントの数が多くなるという、The EconomistのReaders comment欄としては最近では珍しい現象となっております。

直情径行型の中国人投稿家のマネをする必要もないのですが、さしあたり世界のquality paperと言われるThe Economistが読者に開放している投稿欄ですので、日本の読者の方々もぜひ参加してみましょうよ、と申し上げたいと思います。私?私は比較的よく投稿している部類ではないかと自負しておりますが。