新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

難題

4月11日号のButtonwoodsです。

歯ごたえのある記事が多いThe Economistの中でも、Buttonwoodsは経済の玄人向けの話題が多く、ついてゆくだけでやっと、ということが多いのですが、今週も「G20の評価」という、選択や文春でも梃子摺りそうな話題です。案の定、公開5日目にしてわずか7件のコメントしか上がっていません。反循環資本と言う難しい名前で呼ばれた金融機関の引当金強化や監視体制作り、包括的で穏健な規制など、好況時には議論すら難しい話を課題として提示したのは良いが、いつ・どうやって実施するかについては疑問が消えません。The Economistも結論としては総合的に良しとするも、タイムリーな施策はあまり良くなく、良い施策はタイミングが悪いという組み合わせであることへの懸念を表明しています。

記事としていくら歯ごたえがあっても、基本的には経済学の議論から一歩も出ておらず、解決策として具体性を欠くね、と言われても仕方ないのではないかと思ってしまいました(そんな素晴らしい施策があるならG20ももう少し楽にできたんでしょうけど)。とはいえ、分析の議論には将来を予測させるに足るキーワードが埋まっていることも多く(反循環資本だってさ。誰か知ってた?)、まあその意味では看過できない記事のひとつと言えるかもしれません。