新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

竜の悪夢

4月18日号のCharlemagneですが、中国に相手にされなくなるちょっと未来のEUという、ヨーロッパの人からするとあまり聞きたくない話が出ていました。すでにいくつかの国際会議では、中国が語る老いた欧州のイメージに近い話が出たりもしているようですが、こと中国を相手にするとなると強硬な意見を通したい北・西ヨーロッパと、あまり強いことのいえない南・東ヨーロッパの足並みがそろわないことに加えて、政治的には西欧諸国の間にもこまかな意見の食い違いがあるようで、結果としてアメリカと中国の「G2」が先行し、ヨーロッパは置いてきぼりにされるのではないか、と言う話です。

すでに気候変動についてだけでも欧州諸国と中国との間には6件もの定例的な会議が催されているのだそうで、難しいテーマだからとはいえ、中国へのチャンネルを一つに絞りきれない欧州の政治的な弱みが炙り出された格好になっています。

で、日本は?ページが違うといえばそれまでですが、一顧だにされることなく「欧州がどのような位置で遇されるとしてもそれを甘んじて受け入れるべきであろう」との結論に至っています。推して知るべし、ということなのかもしれません。

一時期、ワシントンでは日本から来るすべてのミッションが「アメリカの中国への対応に比べて日本への対応はどうなんだ?」と聞くので、日本が「やきもち焼きの女」に擬せられたこともあったように伝えられましたが、結論として人間の関心が向く先は、洋の東西を問わないということなのかと思われます。