新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

希望のかすかな光?

4月25日号、Leadersのトップは、製造業の業績予測が改善されつつあることなど、世界経済の回復を前提とした近未来予想への警鐘を鳴らす記事でした。それによると、確かに在庫調整が一段落すれば製造業は再び生産を始めるだろう、しかしながら金融業の「痛んだバランスシート」の改善にははるかに長い時間がかかり、その間経済の回復について決して楽観はできないというのが記事の趣旨です。

国別比較で言うと、アングロサクソン諸国にくらべてドイツと日本はまだまし、ただドイツの失業率や日本の過去20年にわたる内需拡大への失望など、やはり楽観できない要素は大きいとのこと。ここしばらくの希望はやはり中国でしょうとの結論です。

記事の言わんとするところは以上のようなものだと思うのですが、それを読んで感じたことは、現代の経済が世界全体を一つの有機的な存在として動いてしまっている以上、一国または地域の動向はかならず他に影響を及ぼすので、全体観を持った分析や対応が必要だと言うことですね。The Economistが論拠としているであろうケインズ経済の正否や将来予測の当たり外れは別として。

ウェブ版公開後2日ほどの間に、70件を越すコメントが寄せられていました。内容的には賛否両論なのですが、いつものことながら、「(アメリカから)仕事を奪い、(アメリカに)カネを貸すことで金融危機を招かせた」的なアジア批判の書き込みがあるのにはしらけますが。