新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

すでに経済大国である中国

4月25日号のBusinessからFinance and economicsあたりですが、中国企業が欧州企業を相手に知的財産防衛で勝訴した事例の話と、Economic focusが取り上げた米国国債の買い入れペースを鈍らせつつも人民元を安く留め置きたい中国外国為替当局のリスク分散政策について。

前者の議論は、まだそれほど大きな波になる様子はないようですが、特許取得数がぐんぐん伸びているのは事実のようです。このところ日本のメディアでは、IT技術を中国相手に販売する場合にソースコードの開示を求められることについての懸念が報じられていますが、こちらについては何の言及もありませんでした(読者コメントは、例によって熱くなった中国人投稿家と西欧人投稿家のやりとりでページが無駄遣いされていて、あまり有益な情報は見かけませんでした)。

後者の議論は一時期の日本や台湾より政治的影響力も強い中国の、米国債買い入れ政策に関する話ということで、興味ある話題だったのですがやはり「リスク分散」という結論以外に妥当性ある議論は難しいようで。

このところしばらくそうなのですが、The Economistの中国に関する書き方は、ここ数年で驚くほど変化していて、いまやすっかり経済大国との扱いです。国論や立ち居振る舞いがそれに追いつくまで、果たしてどれくらいの時間がかかるものやら。日本が経済大国だと謳われた80年代から、一世代が過ぎようとしていますが、日本の物言いはなんだかあまり変わっていないようにも見えますし。